家庭用エアコンを何年か使っていると、部屋がなかなか冷えなかったり、効きが悪いと感じたりすることがあります。
「まだ新しいから」「故障しているわけではなさそうだから」と効かないまま使い続けていると、無駄に電力を消費して電気代が高くなるだけでなく、エアコン本体に負荷をかける原因にもなりますので、なるべく早く対処しましょう。
今回は、家庭用エアコンが効かない(冷えない)原因と、その対処法について解説します。
エアコンが効かない原因とは
エアコンの温度調節をしても思うように部屋が冷えないとイライラしますよね。エアコンが効かない原因には、以下のようなものが考えられます。
- フィルターの詰まり・汚れ
- 冷媒ガスが不足している
- 室外機の設置環境による影響
- エアコンの能力不足
- エアコンの機器の故障
- エアコンの機器以外の劣化・異常
- エアコンの寿命
順番に詳しく解説します。
フィルターの詰まり・汚れ
エアコンの効きが悪いと感じたら真っ先に確認したいのが、フィルター部分の汚れです。エアコンのフィルターがホコリなどで詰まっていると、空気の通りが悪くなり、冷気が十分に行き渡らなくなってしまいます。
最近のエアコンにはフィルター自動お掃除機能が付いているタイプもありますが、たとえ自動お掃除機能付きであっても完全にお手入れ不要になるわけではありません。定期的にゴミを取り除いて、空気の通りを良くしておきましょう。
また、長年使用しているエアコンはフィルターだけではなく、エアコンの内部まで汚れている可能性があります。その場合は専門業者にクリーニングをしてもらうことで、エアコン効率が復活する場合があります。
冷媒ガスが不足している
エアコンは、室内機がお部屋の空気を取り込み、その空気中の熱を熱交換器で取り除いてからお部屋に戻すことで室内を冷やします。
取り除かれた熱は冷媒ガスによって室外機へと運ばれ、熱だけが外へと出ていきます。熱は多いところから少ないところへ移動する性質を持っているので、この性質を利用して冷媒ガスがどんどんお部屋の熱を運び出していくのです。
ただし、引っ越しなどでエアコンを付け換えた時や配管の劣化などにより、冷媒ガスが外に漏れて不足してしまうことがあります。冷媒ガスが不足すると熱を運び出すことができなくなり、エアコンが全く効かなくなってしまうのです。
エアコンが冷えない原因が冷媒ガスの不足であると考えられるときは、自分で直さずに修理業者に充填してもらいましょう。
室外機の設置環境による影響
室外機のまわりに植木鉢などの物を置いたり、室外機そのものを手作りのカバーなどで覆ったりしていませんか?空気の流れを遮ってしまうと、室外機が吹き出し口から放出した熱風を再び吸い込んでしまうため、エアコンが効かない原因になります。
また、外気温にも注意が必要です。一般的な家庭用エアコンは、JIS規格により外気温43度までは動作保証されていますが、逆に言えばそれ以上の外気温では動作が保証されていません。
猛暑が続く日本においては、室外機に直射日光が当たっていたり、風通しの悪い場所に設置している場合、室外機まわりの外気温が43度以上になることもありえますので、そのような設置環境ではエアコンが冷えない原因になります。
エアコンの能力不足
エアコンの能力がお部屋のサイズに合っていないと、パワー不足でお部屋が冷えない原因になります。
カタログなどに記載されているエアコンの適用サイズを見ると、6畳・8畳・10畳・12畳・14畳・18畳…というように、豊富なラインナップがあります。
6畳のお部屋に8畳用のエアコンを付けるのはOKですが、14畳のリビングに6畳用のエアコンを付けるのは能力不足といえます。お部屋の広さよりも適用サイズが小さいエアコンを設置すると、常にフルパワー運転となり、エアコンに負荷をかけるだけでなく余分に電力を消費してしまいます。
引っ越しなどで前の家で使っていたエアコンを再利用する場合は、新しい部屋のサイズに合っているかどうかを確認してください。
エアコンのサイズの選び方
エアコンのスペックを見ると、「畳数のめやす」という項目があります。冷房時と暖房時でそれぞれ適用サイズが異なる場合は、暖房時の方を基準にすることをおすすめします。暖房時の方が畳数の目安が小さくなっているためです。
また、木造住宅や大きな窓がある部屋、西日が当たる部屋、天井が高い部屋などは、よりエアコンのパワーが必要となるため、目安よりも大きめのサイズを選ぶようにしましょう。
エアコン機器の故障
エアコンが冷えないと「故障かな」と思ってしまいますよね。
明らかに異音がしている場合や、水漏れしている、風が出てこないといった症状がある場合は故障が考えられますので、メーカーに修理・点検を依頼しましょう。
目立つ症状はないのに冷えない場合は、リモコンにエラーコードが表示されていないか、室内機のランプが点滅していないかを確認します。症状によっては自分で直せる場合もあります。
そのほか、リモコンが電池切れしているケースも考えられますので、一度電池を交換してみてください。
エアコン機器以外の劣化・異常
エアコンが効かない理由は、機器以外の場所に劣化や異常があるケースも考えられます。
経年劣化による配線の断線やコンセントのゆるみ、ブレーカーのトリップ(ブレーカーが落ちている)、リモコンの故障などがあります。
修理を依頼する前に、まずは自分で確認してみましょう。
エアコンの寿命
いろいろ試してもエアコンの効きが悪いと感じる場合は、エアコンの寿命かもしれません。
一般的にエアコンの寿命は10年程度と言われており、7~10年くらい使ったエアコンは内部に汚れも溜まっているため、徐々に冷房能力が落ちてきます。
そのほか、異音がする・水が漏れるといった症状がある場合もエアコンの寿命と考えられるため、早めに交換を検討しましょう。
エアコンの効きを良くする方法
エアコンの効きを良くして快適な空間をつくるための方法をご紹介します。
2週間に一度フィルターを掃除する
フィルターに汚れが溜まっていると、冷房効率が下がるだけでなく、カビなどが繁殖して部屋中にカビ菌を撒き散らすことにもなりかねません。エアコンの使用中は2週間に一度を目安にフィルターの掃除をするように心がけましょう。フィルターについたホコリを掃除機で吸い取り、水洗いしてよく乾かしてから戻します。
フィルター自動お掃除機能付きタイプのエアコンも、ダストボックスなどにゴミが溜まっている場合があるため、取扱説明書を読んでお手入れ方法を確認しましょう。
室外機のまわりを整える
室外機のまわりに物があったら取り除き、カバーなども外してご使用ください。室外機周辺は十分なスペースを取り、空気の流れを良くしてあげましょう。また、室外機にゴミが溜まっている場合は掃除機などで取り除きます。
室外機に直射日光が当たっている場合は、少し離れた場所に「よしず」などを立てかけて日陰を作ってあげることも試してみてください。
濡れたタオルを室外機の上にかけるのは、室外機の吸込み口などにタオルが垂れ下がり空気の通り道をふさいでしまう可能性がありますので、おすすめしません。
カーテンを閉める
大きな窓から日光が差し込む場合は、カーテンを閉めることでお部屋の遮熱効果が高まり、エアコンが効きやすくなります。
窓は家の中で一番熱の出入りが激しい場所です。冬もカーテンを閉めることでお部屋の断熱効果が上がり、エアコン効率がアップします。
メーカーに点検を依頼する
エアコン本体や周辺機器に故障が疑われる場合は、メーカーに修理・点検を依頼しましょう。購入から一年以内であれば、メーカー保証で済みます。
ただし、保証期間を過ぎてしまった時は、出張費や修理費が高額になり、エアコンを買い替えるのと変わらない金額になるケースも。10年以上経つエアコンは、交換用の部品がないケースもあります。
修理を依頼するかどうかの目安として、購入から7年以上経っているなら買い替えをおすすめします。
新しいエアコンに買い替える
お部屋のサイズにエアコンの適用サイズが合っていない場合や、使用年数が7年以上経っているエアコンは、買い替えも検討してみてください。最新式のエアコンは昔のものに比べて格段に省エネ性能が向上していますので、エアコンの効きはもちろん、節電効果も大幅にアップさせることができます。
また、最近では各メーカーとも猛暑の日でも安定して運転できる室外機を備えたエアコンを販売していますので、買い替えの際には注目してみましょう。
まとめ
エアコンが効かない原因と対処法についてご紹介しました。
エアコンの効きが悪い・なかなか冷えないと感じたら、まずはフィルターの掃除から試してみましょう。室外機のまわりを片付け、エアコンを再起動してみても改善されない場合は、修理業者に依頼しましょう。それでもダメな場合は買い替えも検討してみてください。
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