雪が降った日にエアコンから温風が出なくなったことはありますか?
雪の日や極端に気温が低い日は、エアコンをつけてもなかなか温まらない場合があります。
「雪の日に限ってエアコンが効かない!これって故障なの?」と思うかもしれませんが、実は故障ではなく、エアコン室外機の周りの環境が一時的に運転に影響を及ぼしている可能性があります。
ここでは、そんな寒い日にエアコンが効かない原因や対処法とやってはいけない事をご紹介いたします。
大雪や寒い日にエアコンの暖房が効かない原因
エアコンが効かない原因として、一番よく聞くのは、エアコンの室外機が雪に埋もれていたり、霜取り運転をしている場合です。
室外機が雪で埋まって暖房が効かない
エアコンが運転するには室外機が空気を取り込むために、吸い込み口回りに30cm程のスペースが必要です。
降雪の有無にかかわらず、普段から室外機の周りには物を置かないようにしましょう。
エアコンの室外機は、雪で埋もれていると、吸込口や吹出口を塞いで、熱を含んだ屋外の空気を効率よく取り込むことができなくなるため、エアコンの性能が低下して電気代が高くなったり、暖房運転が停止してしまう場合や最悪壊れる可能性があるので気をつけましょう。
エアコンが霜取り運転をして暖房がとまっている
また、エアコンが霜取り運転をしている間はエアコンの運転が止まります。
「プシュー」「シャー」「シュー」「ポコポコ」「コポコポ」とエアコンから音がしていたら霜取り運転中です。
「霜取り運転」とは、室外機の熱交換器についた霜を溶かしている動作のことです。
エアコンが暖房運転をしているとき、外にある室外機は屋外に冷たい空気を吹き出します。
この時、室外機の中にある熱交換器が冷たくなるため、空気中にある水蒸気が結露して凍り霜がつきます。
室外機に霜がつくと、一時的に室外機の熱交換器を温めるため「霜取り運転」が開始されるのです。
気温が2℃以下や雪が降っている日は霜が付く環境が整っています。
エアコンに霜が付くと霜取り運転が開始されエアコンの運転が止まります。霜取り運転により、室外機が温まるとエアコンの暖房運転が再開しますが、またしばらくすると霜が付き霜取り運転が開始される…というように繰り返され、何度もエアコンの暖房がとまるということになるのです。
霜取り運転のサイン
(1)エアコンから暖かい風が出てこない
(2)プシューやコポコポと音がしてすぐ止まる
(3)室外機から白い煙(湯気)が出る
(4)室外機から冷房の時より大きな音がする
対処法
1)室外機の周りの雪を除雪する
先程も述べましたが、エアコンが運転するには室外機が空気を取り込むためのスペースが必要です。
エアコン専用ブレーカーをオフにした上で、室外機の吸い込み口、吹き出し口の周りを30cmのスペースを確保するように雪を取り除きましょう。
一般的に、室外機の前面が吹き出し口、側面と背面が吸い込み口です。前面だけでなく、側面や背面の障害物にも注意が必要です。
雪を取り除いた後は、エアコンの電源を入れなおしエアコンの運転を開始しましょう。
室外機まわりの除雪をするときのポイント
(1)室外機周りに30〜40cmほど雪が積もったら除雪の目安です
(2)室外機周りの雪かきを行う前に、エアコンの電源は切りましょう
(3)雪かきは室外機の周囲30cm程度行う
(4)室外機は前と後ろだけでなく、上に積もった雪も取り除く(氷結や落下により吹出口や吸込口を塞いでしまう可能性がある)
除雪をするときの注意
除雪するときは、国土交通省がまとめた「雪下ろし安全10箇条」などを参考に、くれぐれも安全に注意しながら備えてください。
【国土交通省 雪下ろし安全10箇条】
(1)安全な装備で行う
(2)はしごは固定する
(3)作業は2人以上で行う
(4)足場の確認を行う
(5)(屋根の)雪下ろしの時はまわりに雪を残す
(6)屋根から雪が落ちてこないか注意する
(7)除雪道具や安全対策用具の手入れ・点検を行う
(8)除雪機の雪詰まりはエンジンを切ってから棒などで取り除く
(9)携帯電話を身につける
(10)無理はしない
2)エアコンの室外機に囲い屋根を設置する
雪が降っているときは、室外機の周りに簡単な屋根を設置するのも効果的です。
また、室外機を地面よりも高い位置に設置すると、雪が積もった際、吹き出し口が塞がらないのでおすすめです。
防雪フードや高置台など各メーカーが販売しているので、雪によるエアコンの予期せぬトラブルを未然に防ぐためにも、これらをうまく活用しましょう。
すでに設置されている室外機の設置場所の移動はやめましょう。配管や機器が壊れる可能性があります。
3)エアコンを寒冷地用や能力の高いものにする
そもそも、お部屋に合った能力のエアコンが設置されていなければ、エアコンの暖房は効きにくくなります。
エアコンの能力にある畳数の目安は、冷房能力よりも暖房能力の方がわずかに低くなっています。ご自宅の広さを冷房での畳数の目安に合わせていた場合は、暖房は効きにくいと言えるでしょう。
気温が氷点下になるような寒い地域では、暖房効果が落ちない「寒冷地用エアコン」がおすすめです。
寒冷地用エアコンは、外気温が0℃を下回るような厳しい環境でも暖房能力を発揮できるエアコンで、室外機に凍結防止のヒーターがついている点や、室外機に内蔵されているコンプレッサーのパワーが普通のエアコンと異なります。
当店では、寒冷地用のエアコンも多数取り扱っております。お気軽にお見積りをご依頼ください。
4)二重窓にして暖房効果と省エネ性を上げる
お部屋の暖かい空気は、冬場は58%(※)もの熱が窓から流出していると言われています。
逃げる熱を軽減する窓に変えることで、暖房効率が大幅にアップし省エネになり、消費電力を減らすことで暖冷房費も節約できます。
また、この内窓リフォームは、既設の窓にプラスするだけの簡単な工事なので、1日で完了することができます。
当店では、内窓・二重窓も取り扱っております。お気軽にお見積りをご依頼ください。
※参照:(一社)日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及促進センター
5)暖房の設定温度をわざと少し下げる
外気温とエアコンの設定温度の差が大きくなるほど室外機に霜が付きやすく、センサーが感知して霜取り運転が頻繁に作動します。
エアコン暖房が効かないと限界まで高い設定温度で暖房をしてしまいそうになりますが、少し温度を下げてみましょう。
霜を適度に付きにくくして、霜取り運転の頻度を下げることができ、結果として暖まるのを早くできる可能性があります。
室温は22度程度の設定温度に保ち、風量を「弱め」に設定しておくと電気代の節約にもなります。
また、暖房をエアコンのみに頼らずに、他の暖房器具と併用するのもおすすめです。
やってはいけない事
室外機の凍結や霜を取ろうとして、やってはいけないのが熱湯をかけることです。
外の気温が氷点下だと水やぬるま湯をかけてもすぐ凍ってしまうので熱湯をかけたくなると思いますが、熱湯を大量にかけると急な温度変化や凍ってしまった場合は水の膨張などでファンや内部のパーツが傷つく恐れがあります。
また、室外機の設置場所を、元ある場所から屋根のある場所に移動などもやめておきましょう。配管や機器が壊れる可能性があります。
どうしても移動させたい場合は必ずエアコンの専門業者に依頼しましょう。
まとめ
雪でエアコンが急に動かなくなると、故障と思いがちですが、15分ほど待って暖房運転が再開すれば、何の問題もありません。
とくに霜が付きやすい朝方は、エアコンのスイッチを入れてもすぐには温風が出てこないケースがあります。
通常10~15分ほどで終わる霜取り運転が20分以上時間が経過しても終わらない場合や、エアコンにエラーコードが出ているなどの異常があれば、故障している可能性があります。
ご自宅のエアコンが設置から10年以上経っているのであれば、高い費用をかけて修理するよりも、最新のエアコンに交換する良いタイミングかもしれません。
生活堂では、各メーカーの最新エアコンを多数お取扱いしております。お気軽にお見積りをご依頼ください。