
久しぶりにエアコンをつけたら嫌なニオイがする、エアコンの効きが悪くなった、ホコリが溜まっている…そんなときはエアコンクリーニングを行いましょう。
エアコンクリーニングを行わずに使い続けると、電気代が余計にかかったり、アレルギー症状が出たり、最悪の場合はエアコンが故障したりするケースもあります。
そこで今回は、自分でエアコンクリーニング・エアコンの掃除を行う場合のポイントと注意点、どれくらいの頻度で掃除をすればいいのかなど、まとめました。
エアコンクリーニングをしないとどうなるの?
エアコンの効きが悪くなる
エアコンフィルターやファンなどにホコリなどが溜まった状態で使い続けると、空気を吸い込む力や温度を調節した空気を吹き出す力のどちらも弱まってしまうため、エアコンの効きが悪くなります。
嫌なニオイがする
冷房や除湿を行ったあとのエアコン内部は結露水などが残り、それがホコリとくっついてカビが繁殖しやすくなっています。
また、料理による油煙やペットのニオイ、タバコの煙などの生活臭も吸い込んでいます。エアコンクリーニングを怠ると、これらのニオイがエアコンの風に乗って吹き出し口から出てきてしまいます。
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電気代がかかる
フィルターなどが目詰まりした状態でエアコンを運転すると、より多くの空気を吸い込む必要があるため、余計な電力を消費してしまいます。
経済産業省資源エネルギー庁の調査によると、フィルターが目詰まりしているエアコンとフィルター清掃を月に1~2回行った場合とを比較すると、年間約31.95kWhの省エネ・約860円の節約につながるそうです。
特に2022年は電力会社が揃って電気代を値上げするなど家計における光熱費の負担が大きくなっていますので、電気代を節約するためにも定期的なエアコンクリーニングは必要不可欠でしょう。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト「省エネ行動と省エネ効果 フィルターを月に1回か2回清掃。」
健康被害がある
エアコン内部は非常にカビが発生しやすい条件が揃っており、掃除をしないままエアコンを運転すると、エアコンの風に乗ってカビ菌が部屋中に広まり、アレルギー症状などを引き起こす原因に。
ぜんそくや肺炎などのリスクもあるため、お年寄りの方や小さいお子さんがいる家庭では特に注意が必要です。
自分でエアコンクリーニング・エアコンの掃除を行う方法
自分でできるエアコンクリーニングは以下になります。
1. エアコンフィルターのお手入れ
2. エアコン本体のお手入れ
3. 風向きルーバーや吹き出し口のお手入れ
エアコンを掃除する前に、必ずコンセントを抜くか、エアコン用のブレーカーを落とします。部屋が汚れる可能性がありますので、エアコンまわりや床などを大きめのゴミ袋やレジャーシートなどで養生しておくと安心です。
エアコンクリーニングを行うには以下のようなものがあれば十分でしょう。
1. エアコンフィルターのお手入れ
エアコンフィルターは使用状況にもよりますが、仮に毎日エアコンを使っているのであれば2週間に一度くらいの頻度で掃除するのが理想です。
フィルターを外すときにホコリが舞い散ることがありますので、マスクや眼鏡をしておくと安心。外したら、まず掃除機で表面についたホコリを吸い取ります。
汚れがひどい場合は水洗いするか、中性洗剤をつけたスポンジや使い古した歯ブラシでやさしく洗います。強い力でこするとフィルターを痛めてしまいますので、力加減にご注意ください。
洗い終わったらしっかり乾燥させて、元に戻します。
2. エアコン本体のお手入れ
水で濡らして硬く絞った雑巾でエアコン本体の表面についたホコリなどを拭き取ります。特にエアコン上部の吸込み口にはホコリが溜まっていますので、雑巾などで丁寧に取り除いてください。
次に前面パネルを開けて、パネルの裏側についたホコリを拭き取ります。お掃除機能付きエアコンでダストボックスがある場合は、取り外して中のゴミを掃除機で吸い取りましょう。
冷却フィンについたホコリは、掃除用のハケなどでかき出しながら掃除機で吸い取ります。このとき、無理に奥の方まで掃除しようとせず、目に見える範囲で行いましょう。
3. 風向きルーバーや吹き出し口のお手入れ
ルーバーは分解してしまうとあとで元に戻せなくなることがあるため、基本的には取り外さずに掃除します。風向きルーバーや吹き出し口についたカビやホコリは、割りばしの先にウェットティッシュなどを巻き付けて行うとやりやすいでしょう。
このときも中の方まで無理に拭き取ろうとすると故障の原因になりますので、あくまで見える範囲に留めて掃除を行うのがポイントです。
自分でエアコンクリーニング・エアコンの掃除を行う場合の注意点
感電や漏電に注意!
コンセントがささったまま掃除を行うと感電のリスクがあり危険です。必ずコンセントを抜いて掃除をしてください。
また、エアコンの構造をよく知らない方が、誤って熱交換器などを分解すると元に戻せなくなったり、漏電したりするリスクがあります。最悪の場合はエアコンから出火してしまうこともありますので、エアコン内部は触らないように注意しましょう。
本格的に暑くなる前がおすすめ
エアコンクリーニング中はコンセントを抜くため、真夏に暑い部屋で作業を行うのは熱中症などのリスクがあります。エアコンクリーニングは本格的に暑くなる前か、オフシーズンに行いましょう。
エアコン洗浄スプレーは使わないで
市販されているエアコン洗浄スプレーは、十分な洗浄効果が得られないばかりか、流しきれなかった汚れや水分が内部に残り、かえってカビが繁殖する原因になるため危険です。
また、電装部分など濡らしてはいけない部分にも洗剤が入り込んで火災や故障につながるリスクもあります。
どのエアコンメーカーもエアコン洗浄スプレーの使用を推奨していないばかりか禁止しているところもありますので、どうしてもやりたい場合は自己責任になることを覚悟の上で行いましょう。
エアコン内部のクリーニングはプロにお任せで
エアコン内部のクリーニングは専門知識が必要となるため、プロの清掃業者にお任せしましょう。1年~2年に一度くらいの頻度で行うのが理想的です。
費用の相場は一般的な壁掛けルームエアコンの場合、自動お掃除機能なしタイプは12,000円程度~、自動お掃除機能付きエアコンは20,000円程度~となっています。2台以上まとめて依頼することで割引になるところもあります。
エアコンクリーニングはダスキンなどのハウスクリーニング業者のほか、家事代行サービス会社やエアコンメーカーも洗浄サービスを行っているところがほとんど。ここでは代表的なエアコンメーカーのクリーニングサービスをご紹介します。
エアコンメーカーのクリーニングサービス
・ダイキン エアコン洗浄サービス
・パナソニック エアコンクリーニング
・日立 修理ご相談窓口サービスセンター
・シャープ エアコン「クリーニング&クリニック」サービス
・三菱電機のハウスクリーニング
・富士通ゼネラル 点検・クリーニング
買い替える方がお得なケースも
エアコンの汚れやニオイが酷くてきれいにすることが困難なケースや、製造から7年以上経っているエアコンであれば、買い替えた方がお得になる場合もあります。
特に有償でのエアコンクリーニングは最低でも1万円程度かかりますので、エアコンの残りの寿命と比較して、どちらがお得か考えた上で判断しましょう。
ちなみにエアコンの設計上の標準使用期間は10年です。